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64bit化

Windows7 RCがダウンロードできるようになったので、ためしに64bit版をインストールしてみました。マシンのスペックは以下のとおり。2004年・2005年の選手権の時のマシンです。久しぶりに起動させました。懐かしい。

  • CPU : Athlon64 3400+ (2.2GHz)
  • MEM : 1GB

問題なくインストールできましたが、解像度が1024×768以下しか選べない。グラフィックカードが認識されていないようです。グラフィックカードはGeForceFX5200が載っています。NVIDIAのサイトからWindows7用のベータドライバをダウンロードしてインストールしてみると「対象の機器がありません」のようなメッセージで終了してしまいます。NVIDIAのサイトをよく読んでみると、GeForceFX5200は対象外の模様。しからばと、使用していない別のマシンからATI(現AMD)の9200SEというカードを抜いてきました。念のため、AMDのサイトでドライバの対応状況を確認すると、またもや9200SEは対象外。仕方がないので、GeForceFX5200のまま1024×768で使用していました。ふと思いついて、WindowsUpdateをしてみると、GeForceFX5200のドライバがありました!

VisualStudio2008をインストールして、64ビットの開発環境を整えました。

K-Shogiのプロジェクトをビルドしてみると、やはり、インラインアセンブラのところでエラーが出ました。その他にもエラーやワーニングが多数出ています。

インラインアセンブラはマルチスレッドのためのロックに使用しているのと、RTSC命令でクロック数を測るのに使用しています。今回はとりあえず動かしたかったので、RTSC関係は削除、ロックは今回のCPUが1コアなので、ばっさりコメントアウトしました。

その他のエラーとしてはVC6から持ってきたプロジェクトだからかOnTimerイベントの引数があっていないようでエラーになっていましたので、正しい形に修正。他にsize_tをintやUINTに変換しているというワーニングが大量に出ていますが、とりあえず問題なさそうなので無視し、ビルドができました。ふぅ。

早速、動かして見ると実行時エラー。デバッグモードで動かすと、定跡の格納領域が足りていないことが判明。構造体にポインタを格納しているので、32bitから64bitになって必要な領域が増えているのが原因でした。(しかし落ちるのはまずいですね。)

これで一応動くようになりました。気になる速度ですが、ある局面の探索で、

  • 32bit 34.6秒 NPS:101,647 (64bit環境で実行)
  • 64bit 30.7秒 NPS:114,548

となり、うわさどおり1割程度速くなっています。

ただし、今回の環境はAthlon64ですが、Core2では64bitの速度向上が悪いとのうわさですので、Athlonほどには速くならないと思われます。

Core i7は64bitはどうなのでしょうね?

K-Shogi2.7.00リリース

選手権バージョンをリリースしました。

http://www.studiok-i.net/kshogi.html

前バージョンとの自己対局は269勝231敗(勝率:53.8%)でした。とりあえず勝ち越したのでほっとしています。(4月に55%程度の勝率で改善したことが3回ありましたし、その他にも多数勝ち越した改良があったはずなのでったので、もっと上がっても良いと思いますが。。。)

Ver 2.7.00  2009年05月09日
【第19回世界コンピュータ将棋選手権出場バージョン】
2.6.01との対戦成績(レベル上級):269勝231敗(勝率:53.8%)  ※自己対局はPGOなし
・[思考] 多数微調整
・[思考] 開発ツールをVC++2008に変更 (PGO機能で約10%高速化)

世界コンピュータ将棋選手権に参加しました

5/3~5に行われた第19回世界コンピュータ将棋選手権に参加しました。スタッフの皆様、選手の皆様お疲れ様でした。

私が参加した2次予選では、

  • 思考ルーチンを学習に切り替え大幅に強化した、KCC将棋
  • こちらも思考ルーチンを学習に切り替え大幅に強化した、GPS将棋
  • Bonanzaの評価関数に乱数を加えたものを6本走らせ多数決で差し手を選ぶ、文殊
  • 去年はトラブルで惜しくも決勝進出を逃した反省から(?)今年は安定性と思考ルーチンに磨きをかけてきた、習甦

の4本の強さが目立ちました。

K-Shogiの結果ですが2次予選は6勝3敗で6位でした。5位以内が決勝進出なので後一歩でしたが、今回は実力以上の順位だったと思います。

近々、大会バージョンを公開します。

明日からコンピュータ将棋選手権です

去年からの変更点で効果が大きかったのは、

  • 浅いPVでは全幅で探索する(ただし、指し手評価が低い手は浅くしか読まない)
  • 末端の延長を少なめに

の2点ぐらいでしょうか。

昨日行った改良は何年も前から課題になっている、玉が囲いから逃げ出してしまう問題の対策を考えてみました。原因は相手の飛車の利きを怖がって逃げてしまうことなので、相手の利きの評価を調整してみました。しかし、ここまで自己対局は38勝51敗(42.7%)でした。。。もう少し様子を見ますが、採用できそうにありません。

公開している前のバージョン(2.6.1)との自己対局はしていませんが、負け越す予感がビンビンします。選手権前に負け越すとしぼむので、調べるのは選手権終了後にします。

明日(5/3)に移動します。一次予選の終わり頃に見学に行く予定です。

後は、新型インフルエンザで中止にならないことを祈ります。

それでは皆様、現地でお会いしましょう。